調査と結果
2012年7月に気になった医療関係会社によるプレスリリース記事は、ファイザー製薬が2012年7月11日に、報道関係各位宛にリリースした、「47都道府県比較(長く続く痛みに対する意識・実態調査)」の調査結果と、そのサマリーです。
これは、ファイザー株式会社とエーザイ株式会社が共同で行った調査で、47都道府県において、慢性疼痛の条件を満たした各都道府県の20代以上の男女各200人、計9,400人を対象に、2012年6月12日~6月15日の間に行われたインターネットによる調査結果について発表されたものです。
調査の目的
今回の調査の目的は、痛みの正しい知識や治療の必要性と人々の認識のずれを確かめるべく行われたようです。
長びく痛みは、その痛みの箇所や程度にもよりますが、歩くのが辛い、腕を上げるのが辛い、食欲が低下する、よく眠れないなどの弊害をもたらすケースがあるなど、日常生活において、何らかの支障が出ることを感じている場合が多くあります。
しかし、日本においては、そこまで疼痛患者が多いことや、その実態が明らかでなかったり、患者自身の治療に対する認識が十分ではないようです。
また、痛みにも種類があり、痛いから外科的なものだと決めつける人が多いようですが、実際は、内科的な病気から来る痛みもあることも多く、痛みの種類や発症メカニズムに応じた治療を受けることが重要であることも知らない人が多いとのことです。
そこで、慢性疼痛を抱える人が疼痛及び疼痛治療に対し、考えや行動を、各都道府県ごとに調査を行ったわけです。
様々なデータから
都道府県ごとの違いを確認したい、という視点が面白いと思いました。
県民性の違いというのはよく聞きますが、痛みの認識や痛みの対処にも、差が出るものなのか、リリースされた調査結果はとても興味深いものでした。
日本全国の慢性疼痛を抱える人(9,400人)に痛みについての我慢について尋ねたところ、「痛みがってもある程度、我慢するべきだと思っている」人の割合が74.3%にも昇り、さらに、「痛いという事を、簡単に他人に言うべきではないと思っている」人が55.7%にあたる5,240人にもいることが分かったそうです。
痛みに対して
日本人は我慢強いというのでしょうか。
もっとも、我慢した結果、症状が悪化し、治療が長引いたり、実は、癌など病気による痛みだったなど、治療が遅れたために手遅れになったり、さらに苦しむことも頭のすみに置いておかないといけないと思います。
なお、我慢すべきとの回答が81.5%だったのが和歌山県・宮崎県で、一番少なかったのは、島根県・熊本県の66.5%だったそうです。
県民性の違いと言われても、いまいち分からないですね。
また痛みに対して、自己対処していると答えた人が約半数の47.6%である4,473人おり、その方たちに、なぜ、病院に行かないかを尋ねたところ、「病院へ行くほどでもないと思った」との回答が多数を占めたそうです。
逆に病院に通院している方の中では、病院を変えた人が64.0%の3,003人おり、その多数の理由が、「治療効果に不満があった」と回答したそうです。
なお、一番変更回数が多いのは東京都74.1%で、少ないのは福井県の54.6%でした。
東京が一番多いのは分かる気がします。
情報が飛び交っていたり、病院の数も多いから変更しやすいというのもあると思います。