看護師の求人動向


看護師の求人動向

看護師の求人倍率は、近年上昇傾向にあり、全国平均でおよそ3倍となっています。
これは地域によって格差があり、都市部ほど看護師が不足しています。
それに対して、東北地方や九州地方は特に求人倍率が低い地域です。

また、労働条件にも意識の差があります。
求人側の医療機関は常勤で長く働ける人材を求める傾向にありましたが、看護師の求職者は半数近くが非常勤・臨時雇用を希望しています。
求人者と雇用側のミスマッチが発生しているため、これに合わせる形で、常勤以外の求人も4割程度まで上昇しています。

求職している看護師を年代別に分けると、ここ数年は比較的高い年代、40代、50代が増加しています。
それに対して若い世代、20代、30代は減少しています。
これは、一度看護師として勤務したが、結婚、出産などの事情で一度退職した人材で、復職したいと考えている人が多いということを表しています。

これら資格を持ちながら今は働いていない人たちは「潜在看護婦」と呼ばれています。
これらの人材は70万人以上に上るといわれており、適正に再就職ができれば看護婦不足を一気に解消できると期待されているのです。
厚生労働省などが中心となって、再就職支援のための看護師の求人情報を統括するシステム作りが進められています。

近年では、求職者のうち、3割近くが施設を紹介され、そのうちの6割以上が就職しています。
求職者全体からみると、2割程度が就業に結びついています。
また、求職者を就業中と未就業に分けた場合、就業中の求職者の紹介率が約2割、就職率が約1割に対し、未就業の求職者は紹介率が約3割、就職率も3割近くあり、未就業の求職者の方が就業に結びついています。

働く場所の多様化

看護師というと病院に勤務しているイメージが強いですが、病院の求人は約50%です。
その他は診療所が約11%、介護保険施設・事業所が約15%、訪問看護ステーションが約6%、その他は会社、事業所、地方自治体などです。介護保険施設・事務所が特に増加傾向にあります。

また、それぞれの医療現場でも、働く環境は細分化されてきています。
例として、内科では「心療内科」「循環器科」「腫瘍内科」「神経内科」など分化しており、外科では「消化器外科」「内分泌外科」「小児外科」などに別れます。
看護師の仕事にも高度な専門性が要求されているのです。

また、大規模病院では、医薬品や医療機器も多様化・発展しているため、医師と看護師だけではなく、様々な職種と連携して治療にあたっています。
そのため、看護師の資格だけではなく、助産師、保健師、専門看護師、認定看護師など、他に資格を持っている人材を求める傾向も強くなっています。
国際化社会になっていることを受けて、英語などの外国語能力を持つ人材も求められています。