花粉症


花粉症とは何か

花粉症とは、アレルギー性鼻炎の一種です。
アレルギーは、特定の異物が体に入ると激しく反応することで、アレルギーのもとはアレルゲンといわれています。
そのアレルゲンが花粉であるとき、花粉症と呼ばれるのです。

花粉症の症状は様々です。
最も多いのは鼻水です。
一日で箱入りのティッシュを全て消費してしまい、鼻の周りがヒリヒリと痛くなってしまった人もいるでしょう。

他にも、せきやくしゃみ、目の周りのかゆみなどがあります。
いずれも、体が花粉を異物として認識し、過剰に反応しているのです。
つまり、花粉症は身体の防御反応と考えることができるのです。

アレルゲンとなる花粉にも多くの種類があります。
代表的なものはスギ花粉ですが、他にヒノキ、ブタクサ、ヨモギなどがあります。
人によってアレルゲンは違い、複数の花粉にアレルギーを起こして、一年中花粉症に悩む人もいます。

そこで一つ疑問を持つ人がいるかもしれません。
スギやヒノキは昔からあったのに、なぜ今花粉症が流行しているのか?と。
しかも、森や林の多い山間部よりも、草木の少ない市街地に花粉症が多いのはなぜなのか?と。

なぜ市街地で花粉症が多いのか

原因の一つとして考えられるのは、大気汚染です。
戦後日本は急激に都市化、工業化し、工場の煙や自動車の排気ガスが大量に排出されました。

汚れた空気によって呼吸器や皮膚が敏感になってしまい、花粉に過剰なアレルギー反応を起こしてしまうようになったのです。
さらに、都市化によって住宅建材などに使われるスギの植林が重なりました。
大量に植林されたスギは、自然の状態では考えられないほど大量の花粉を輩出したのです。

また、近代化による人々のストレスの増加もアレルギーには良くないといわれています。
しかし、アレルギー医療に関してはまだ発展段階で、どのようなメカニズムで症状が出るのか、詳しい原因の特定には至っていません。
原因がわからないので、根本的な治療法もまだないのです。

対症療法としては、かゆみ止めが使われています。
また、ステロイド剤などの抗炎症薬も効果があります。
しかし、使いすぎは体に悪影響なので、医師の処方に従って適切に服用してください。

花粉症を防ぐ方法もいくつかあります。
鼻やのどの症状を抑えるためには、マスクが有効です。
鼻の穴の周りに塗って花粉を吸着させ、中に入るのを防ぐジェルやクリームもあります。

目の周りに付着するのを防ぐためには、花粉メガネを利用します。
ゴーグルのように目の周りをカバーするような形をしています。
水を入れるポケットがあり、水蒸気で花粉を防ぐものもあります。

室内では加湿器を使用して花粉の飛散を防ぐ方法があります。
また、手洗い・うがいも有効な手段です。