プール熱


俗にプール熱の名で呼ばれている咽頭結膜熱は、アデノウイルスに感染して起きる夏風邪の一種です。
アデノウィルスは51種類もあるため、一度かかっても、その後も何度もプール熱にかかる可能性もあります。
プールで感染することが非常に多いために、この名前で呼ばれるようになりました。
幼児期から学童期に幼稚園や学校で感染することが非常に多い病気です。

ただし、アデノウィルスは冬にも活動するので咽頭結膜熱自体は特に夏に限った病気ではありません。
感染経路は飛沫感染と接触感染です。
感染者のくしゃみやせきなどの飛沫が口に入って感染する場合と、感染者が目や鼻などをふいたタオルなどで、感染する場合があります。
感染者が入ったプールの水にアデノウィルスが混入して、同じプールに入った人が感染することが多いのでプール熱と呼ばれるのですが、これも接触感染のひとつです。

プール熱の症状

感染から発症までに5日から7日間ぐらいの間隔があきます。
おもな症状はのどの痛み、目の充血、発熱です。

急に39度から40度ぐらいの高熱が出て5日程度続きます。
目が充血して、目やにがでます。
喉も痛くなって、嘔吐や下痢をすることもあります。
このような症状は4,5日で回復期に入ります。
ごくまれに肺炎などを起こすことがありますが、ほとんどの場合予後は良好です。

ただし、症状はなくなっても、アデノウィルスはのどからは1週間から2週間、便からは一か月程度排出されます。
感染後は症状がなくなっても、手洗いやうがいの励行などの感染対策をとりましょう。

プール熱の治療法

アデノウィルスに対する特効薬はありません。
熱が高くなれば解熱剤を与え、のどの痛みがひどい場合は鎮痛剤、目の充血にはステロイド剤や抗生物質、目がかゆいときには抗ヒスタミン剤など、その時の状態に応じた薬を服用します。

のどが痛いので食欲が減退します。
のど越しの良い食べ物で栄養をとり、水分補給につとめて回復をまちます。
安静が第一です。

家族も感染に注意する

アデノウィルスに対しては、予防接種やワクチンもありません。
一般的な感染症予防をします。
日ごろからうがいや手洗いをしっかりすることが大切です。

日常生活においても、タオルやコップなどの共用はやめましょう。
また、プールから上がった時には、シャワーをしっかり浴び、手洗いはもちろんですが目も洗うようにします。
うがいも忘れてはいけません。
子供たちがタオルを貸し借りしないように気を付けなければなりません。

家族が感染したときには、ドアノブや手すり、おもちゃなども消毒しなければなりません。
感染した子供の目やにをとったり鼻をふいたりするときには綿棒やティッシュなどを使い、またおむつ交換の後にはしっかりと手を洗いましょう。