白い巨塔


舞台設定は現代

白い巨塔は、医学界の知られざる実態や、人間の生命の尊厳を描いている代表作「白い巨塔」をドラマ化したもの。
再連続ドラマ化されたのは約25年ぶり。
原作が持っている圧倒的なエネルギーはそのままにして、舞台設定を現代に置き換えています。

徹底した取材でリアリティを追求した作品。
人間がなせる業を深く掘り下げています。

濃密な内容の本格派ドラマを目指しており、キャストはかなり豪華に。
全21話、2クールの大型企画の大河ドラマとなっています。

原作での時代設定は60年代となっていましたが、テレビドラマでは現代の2003年に置き換えられています。
2004年の4月から新臨床研修医制度が参入し、2007年から助教授が准教授になったことで、医局が人事を掌握し支配をする現代劇のドラマ化ができる最後のチャンスを生かしています。

各回では、視聴率20%を超える記録を残しており、最終回では多くの地域で30パーセントを超えていました。
最終回の視聴率32%は、1978年の最終回を上回っており、連続ドラマの歴史に名を残しています。

背景としては、放送開始の数年前から表沙汰になっていた医療過誤問題に触れていることもあり、筆者は執筆当時フィクションとして書いていたことが現実に起こっている状況にも驚きを持たれていました。
原作に即して大阪を舞台としていますが、関西弁を話す登場人物も少なく初回のわずかなシーンだけでわずかです。

原作者はドラマ化に消極的でした。
救命病棟24時の出来栄えを見て、作品のドラマ化を決意したそうです。

2004年には台湾で放送されました。
2006年2007年には中国、韓国で放送され台湾では白色巨塔という医学・医療界での代名詞となっています。

出演者・名言・名シーン

白い巨塔といえば、唐沢寿明。
そして江口洋介と黒木瞳、伊藤英明などの面々が揃い、矢田亜希子などの実力派女優も出演しています。
オフィシャルサイトの掲示板を見ると、ほぼ前作や原作と比較された声が多く、本作品を批判する内容も多くあります。

白い巨塔では、やはり唐沢寿明の名言が目だっていましたね。
「頭を下げる・・・つもりはございません!」や「東教授のご指示に従っているだけでございます」など。
口調が丁寧ながら貫禄があり、唐沢寿明はぴったりなキャストだと賛美されていました。

見た人の感想・レビュー・声

「以下はネタバレです」
白い巨塔を見た方の感想では、やはり人間関係に共感される方が多いように感じます。
主人公が善人という設定ではなく、野望の固まりという設定が面白いとの声も。

通常ならば、里見が正論であり主人公に相当しいものの、それではつまらなかったでしょう。
財前が最後に、「無念だ」と涙ぐむシーンでは、財前の人生すべてを物語っているようでした。

続編を見たいところですが、主人公がもういませんし、この作品だけで納得するしかなさそうです。
医療関係の方や医学が好きな方には、是非見てほしいドラマです。