うつ病とは
うつ病は、精神障害疾患の一種です。
意欲、興味の低下などの抑うつ症状、不眠や食欲がなくなる、ひどく焦るなどの症状があります。
現代社会で著しく増加している病です。
心の中の様子はなかなか判断することができないため、診断が難しい傾向にあります。
うつ病も客観的な診断が難しく、精神科医からうつ病と診断されても、周囲からは病気を認めてもらえず、怠けている、がんばりが足りないなどと言われてしまうことがあります。
しかし、近年ではうつ病の診断にも客観的な判断ができるようになってきました。
医学の発達によって脳のメカニズムが解明されつつあり、うつ病の時の脳の状態がわかるようになってきたのです。
新しいうつ病診断方法
うつ病時には、脳内物質の部位のバランスが崩れていたり、特定の部位の血流が多くなったりしています。
それが検査によって可視化できれば、診断が容易になるのではないかと言われているのです。
最近では、光トポグラフィーという装置に期待が集まっています。
光トポグラフィーは、頭蓋骨の上から近赤外線を照射して、その反射光を測定することで前頭葉の血流に変化がないか測定する装置です。
光ですから害はなく、目に見える形で測定ができます。
しかし、まだ新しい技術であるため検査に保険は適用できず、装置自体も高価です。
なかなか簡単に使用できるものではないところが難点です。
しかし、この装置の開発を第一歩として、検査・診断だけでなく治療方も開発されつつあります。
前頭葉の血流のバランスが崩れているのがうつの身体的症状なので、これを磁気刺激で改善しようというのです。
磁気を使うなんて肩こりの治療のようですが、症状が改善したという症例も挙がっているようです。
しかしこれも新しい治療法であるので、すべての人に効果があるとはいえず、まだまだ高額で利用しにくいという問題もあります。
脳や心の問題はデリケートなうえに複雑で、まだまだわからないことが多いのです。
かつてうつ病の特効薬とされた薬も、症例を重ねていくうちに副作用が報告されるようになったという話もあります。
機械治療は投薬治療ほど副作用は出にくいですが、まだまだ精度が不足しています。
しかし、もっと簡単な検査方法も出てきています。
うつ病の原因となる、ストレスを感じた時に出る分泌物を測定する方法です。
それも、唾液を調べるという簡単なものです。
ストレスを感じると分泌されるコレチゾールというホルモンに注目して、唾液中のコレチゾールを測定するのです。
以前は採血して測定していたのですが、血を採る時のストレスで値が変化するため、正確に測れなかったのです。
唾液ならスポンジなどにしみこませるだけなので、採取時のストレスはほとんどありません。
他にも唾液中のグロモクラニンAという物質を測定する方法も登場しています
あくまでもストレスを診断するものなので、うつ病との関連を判断するにはまだまだ研究が必要ですが、判断基準が増えることで、診断や治療の一助となることでしょう。