乳がん

乳がん

乳がんとは

乳がんとは、乳房にある乳腺に悪性の腫瘍ができる病気です。
初期には痛みなどの自覚症状がありませんが、他のがんと同様に早期治療が必要です。
他のがんと違い、自分で見つけることができます。

乳がんは、自己検診で見つけることができます。
生理が終わってから一週間前後に、自分で乳房を調べます。
乳房にしこりがあるか、左右に大きさの違いがないか、乳頭にただれなどの異常がないかなどを確認します。

乳がんの原因として最も大きいものは、遺伝的なことです。
母親や姉妹が乳がんになった人は、乳がんの発症リスクが倍になります。
近い親せきが乳がんになった人は注意が必要です。

他に乳がんになりやすい人として、初潮年齢が早い人、出産経験のない人、初産年齢が30歳を超えている人、閉経年齢が55歳以上の人は発症リスクが高いといわれています。
この場合は、女性ホルモンの分泌する期間が長くなるので、乳がんになりやすいのです。
また、閉経後の肥満も脂肪組織の中でエストロゲンが発生するので発症しやすくなります。

乳がんの予防は、肥満を防ぐことが効果的といわれています。
特に閉経後は、脂肪組織の中で他のホルモンがエストロゲンに変化するのです。
また、他のがんと同じく、バランスのとれた規則正しい食生活や、ストレスを抑えることで予防できます。

以前まで、日本人は乳がんになりにくいといわれていましたが、食生活など、生活習慣の変化によって患者数が増えています。
国立がん研究センターの調査によると、1975年から40年の間に日本の乳がん患者は約6倍、60,000人を超えています。
また、死亡数も増加しており、2011年には13,000人近くの人がなくなっています。

検診の必要性

欧米では、乳がん患者はもともと多かったのですが、亡くなる人は減ってきています。
それは、乳がん検診が普及して早期発見ができるようになっているからだといわれています。
乳がん検診の必要性を示しているのです。

乳がん検診の方法としては、先述の自己検診のほかに、病院で行う検診があります。
代表的なものに、マンモグラフィ検診があります。
X線で乳がんの初期症状である組織の石灰化を写し出す検診方法です。

マンモグラフィでは、自己検診ではわからない小さなしこりを写すことができます。
乳房は立体的なため、圧迫板で挟み込んで撮影します。
薄くひきのばすことで、浴びる放射線の量を少なくできます。

他にも、エコーという超音波検査もあります
超音波を乳房に当てて、反射の状況を画像化してしこりを写し出します。
妊娠中の方など、X線を浴びるのを避けたい人に適した検診方法です。

これらの方法でも、なかなかがんが見つからないことがあります。
少しでも異常を感じたら、乳腺専門の医療機関で診療を受ける必要があります。