医療関連企業による完全子会社化情報のプレスリリースで考えることは


薬価改定と製作コスト

2011年11月のある日、私は、医療関連企業の株価動向などに厳しい目を向けていたので、プレスリリース配信サイトにアクセスして、医療関連企業の動向を知ることで、投資の準備ができるようにと考えていた。
そして、プレスリリース配信サイトにたどりついて、医療関連企業のプレスリリースを読んでみたところ、医薬品関連商品を販売している化学企業が、医薬品販売会社を完全子会社化するというプレスリリースが目に飛び込んできたので、それをじっくりと読みこむことにした。

なんでも、昨今では医療関連の薬価改定があり、従来のような薬価で利潤を得るということができなくなりつつあるという状況になっているそうだ。
しかも、ジェネリック医薬品という特許切れしているがために製造にかかるコストを低く抑えられる医薬品も登場していて、医薬品販売会社に原料を販売している化学企業としては、これからの先行きに不安があるようだ。

だからこその起死回生の打開策として、まだ経営余力があるうちに、医薬品販売会社を完全子会社化することによって、医薬品開発にも積極的に関与できるようにして、業績向上を図るという考えが、化学企業の経営陣にあると読み取れるわけなのである。
開発、製造、販売が一体となっていることにより、市場の動向を素早くつかんで、なおかつ効果的な開発を行えるようになるわけですから、まったくもって合理的な経営戦略であるし、これから安定的に収益を挙げていく上においては、必要な施策であるとされているのだ。

 

ブランド化の力

完全子会社化する対象の医薬品販売企業は、テレビのコマーシャルにもたびたび出てくる、風邪薬ブランドを確立している企業であり、その知名度は全国区になっているということから、そのブランド力を活かして、さまざまな医薬品をより多様に販売できるようにするため、化学企業の経営力を活かすことが必要になるのであり、完全子会社化によって、化学企業は経営力を活かして、医薬品販売をより充実したものにすることができるわけなのである。

この化学企業および、医薬品販売企業においては、関西ではかなりの知名度とブランド力を確立しているわけで、テレビコマーシャルで関東にも知られるようになってきたとはいえ、やはり、まだまだ関東地方における知名度の浸透が足りないという感覚であることから、関東地方での販売実績をてこ入れするという目的があるのだという。

 

医薬品のこれから

なんといっても、日本の全人口のうち、4分の1ほどは関東地方に在住しているという圧倒的な人口密度であるわけなので、関東地方においてブランドを確立することによって、将来的にも安定的な経営を見込むことが可能になってくると考えられるのだ。

高度な技術をもつ化学企業が、切磋琢磨して市場において競争をするということにより、医薬品の品質も向上し、しかも、特許が切れた後には安価で高品質の医薬品を国民が享受できるようになるということなのだから、
これからも切磋琢磨して社会貢献してもらいたいと期待しているわけなのだ。