子宮筋腫

子宮筋腫

子宮筋腫とはどんな病気?

子宮筋腫とは、子宮にできる良性の腫瘍のことをいいます。
成人女性の5人に一人がなるといわており、女性にとってはとても身近な病気です。

子宮筋腫の原因は詳しく解明されていませんが、卵胞ホルモンという女性ホルモンが筋腫を大きくするとされています。
悪性腫瘍のがんとは違い、良性の腫瘍ですから適切な治療をすれば命にかかわるようなことはありません。
しかし、放っておくと腫瘍が大きくなり10キロを超えるほど肥大することもあります。
また、妊娠しにくい、流産しやすいといったこともありますから、生理の出血量が増えるなどの気になる症状があれば、早めにお医者さんに行くことをおすすめします。

子宮筋腫は1つだけでなく、複数の腫瘍ができるのが一般的で、大きさや腫瘍の数は人によって異なりますし、症状も異なります。
腫瘍が出来る場所により呼び名が付けられており、子宮の内側では粘膜下筋腫、子宮の筋肉の中では筋層内筋腫、子宮の外側に出来るものを漿膜下筋腫と呼んでいます。

子宮筋腫の症状

子宮筋腫の症状で最も特徴的なのが、生理のときに出血量が多くなることと、生理痛があげられます。
このほかにも不正出血や腰痛、トイレが近くなるといった症状が出ることもあります。

子宮筋腫の診断は、触診や超音波を使った検査を行います。
筋腫が大きい時や手術が必要な場合、MRI検査をすることもあります。

大きな筋腫の場合、およそ0.5%の確率で悪性の腫瘍である可能性もあるので注意です。
がんを発見することはとても難しいので、がんを見逃さないように、医師は慎重に診断を行う必要があります。

検査で子宮筋腫と診断された場合、主な治療法は手術による外科的な治療と、薬を使った内科的な治療に分かれます。
手術は子宮を全部取るものと、筋腫だけ切除するものがあります。
子宮の全摘出術は、将来子どもが産めなくなるので、筋腫だけを取る手術が多いです。
しかし、出血量が多いというデメリットがありますし、目に見えない小さな筋腫を見逃してしまって、手術後に再発する可能性があるという課題もあります。

一方、薬による治療はホルモン剤で、わざと閉経状態にしてしまう薬を使って、筋腫が大きくなるのを防ぐ治療が行われます。
ただ、この治療法では更年期と同じ状態になりますから、更年期障害と同じような症状が出るという副作用があり、半年しか治療を続けることはできません。
治療を止めると筋腫が大きくなるので、手術をするまでの一時的な措置として行われるか、閉経間近の女性に行われるのが一般的です。

このほかにも、筋腫の成長を止めるために血管を詰めてしまう子宮動脈塞栓という手術や、超音波を使った治療が行われる事もあります。