急性心筋梗塞とはどんな病気?
心臓は心筋と呼ばれる筋肉で出来ている部位で、人の握りこぶしくらいの大きさをしています。
1分間に約70回、1日に約10万回も働いて体中に血液を送り出しています。
休むことなく働いて命をつなげている、非常に重要な臓器です。
心臓の周りには心臓が冠をかぶったように見える血管が走っており、これを冠動脈といいます。
この血管から心臓の筋肉細胞(心筋)に、酸素や栄養が送られています。
急性心筋梗塞は、この冠動脈が詰まって心筋に酸素や栄養が送られなくなる病気です。
急性心筋梗塞を発症する人のうち3人に1人は、前兆もなく突然発症します。
この時に対処が遅れると、心臓が機能しなくなって突然死に至る事もあります。
前もって急性心筋梗塞の知識を得ておくことがとても大切です。
急性心筋梗塞の症状は、激しい胸の痛みです。
心筋に栄養や酸素が送られなくなるので、心筋の細胞が壊れていくため激しい痛みを感じます。
胸が締め付けられるような、圧迫されるような、あるいは焼けるような痛みを感じ、呼吸ができないように感じます。
冷や汗がでるほど痛いのですが、痛みの場所から胃や肩が痛いと感じる人もいます。
しかし胸のあたりに感じた事のないような痛みがでたら、まずは急性心筋梗塞を疑いましょう。
心筋を壊死させないためにも、一刻も早く治療を受ける必要があります。
すぐに周りの人に救急車を呼んでもらうか、自分で救急車を呼んでください。
心筋梗塞の初期症状では不整脈が起こる事も多いので、不整脈によって意識を失う可能性もあります。
このような危険がありますから、自分で車を運転して病院にいくようなことはやめましょう。
ほとんどの救急車には急性心筋梗塞の応急処置を行うAEDという器械が設置されていますから、応急処置を受けながら病院に運んでもらえます。
心筋梗塞の診療方法は?
病院で急性心筋梗塞と診断されると、すぐに再灌流と呼ばれる治療が行われます。
この治療は手首や足の付け根にある動脈からカテーテルという細い管を心臓に届くように入れて、詰まった血管をステントと呼ばれる金属や風船で拡張し、心筋への血液の流れを回復させるものです。
再灌流治療を受けると、血液が再び心筋へと送られるようになるので、この時点でダメージを止めることができます。
心筋へのダメージを最小限に留めるためには、一刻も早く病院で治療をうけることが重要です。
急性心筋梗塞は三大疾病の一つで、日本人がかかる病気の中でも第2位となっています。
年間に約25万人が急性心筋梗塞になっていると推定されており、このうち14%以上の人が、病院に到着する前に死亡しています。
急性心筋梗塞は高血圧や糖尿病、喫煙、高コレステロール血症、ストレス、遺伝によるものといった危険因子があると、リスクが高くなるので要注意です。
高血圧で喫煙をしている、糖尿病で家族に急性心筋梗塞にかかった人がいるなど、複数の危険因子がある人は、特に注意が必要です。