がん


がんとはどのような病気?

がんは、日本人にとって最も身近な病気といえます。
統計によると日本人のうち2人に1人は、一生のうちにがんを経験しています。
男女別でみると、男性の63%ががんにかかっており、4人に1人の確率となる25%が、がんが原因で死亡しています。
女性は47%ががんを経験しており、がんが原因で死亡する割合は16%です。

がんは遺伝子に傷がついて、異常な細胞が生まれ、それががんとなって増殖し、異常な細胞が塊となって起こる病気です。
がん細胞は増殖する性質をもっているので、がんが血管などに入り込んで体のさまざまな部位に広がり、転移して進行していきます。
がんは正常な細胞から栄養を吸収して増殖するので体がどんどん衰弱していき、最悪の場合は死に至ることがあるのです。

がんは栄養バランスの取れた食生活や喫煙など生活習慣である程度は予防できます。
しかしどんなに健康に注意していても、がんになる可能性はあります。

がんの種類

がんは体のさまざまな部位に発生しますが、がんができる部位によって、おおまかに4つに分類されています。

第1は、血を作る組織の造血器に生じるものです。
白血病や骨髄腫、悪性リンパ腫等があります。

第2は、体の表面や内臓の粘膜といった上皮細胞にできるものです。
肺がん、胃がん、咽頭がん、乳がん、子宮がん、卵巣がんなどがあります。

第3は、内臓の内側の筋肉など非上皮にできるものです。
骨肉腫や血管肉腫など、「肉腫」と呼ばれるがんで、多くのものがかたまりとなって増殖するので、固形腫瘍と呼ばれることもあります。

第4は、上皮の内側にできるもので、その代表的なものが、子宮頸部にできるがんです。

がんの診療方法は?

がんであるかどうかは、まず、検査を行って、医師が検査結果を診断して判断します。
この検査と診断は、時間がかかることが多いのですが、病状や進行状態などを正しく診断するためには、詳細に体を調べる必要があるからです。
この検査結果によって、医師は治療方針を決めます。

治療では望んでいたような効果が出ることと同時に、患者さんの体に極力負担がかからないように配慮されます。
適切な治療法を決めるためにも、慎重に検査が行われるため時間がかかります。
主な治療法には手術でがん組織を取り除くほかに、薬物治療や放射線治療等があります。

がんは重大な病気ですし、国民の多くががんで苦しんでいるため、現在もがんの治療法の研究が続けられています。
このためがんの治療技術は進歩しており、最先端治療が用いられることも少なくありません。
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ですから現在の治療法が、近い将来には古い治療法となり、新たな治療法に変わっている可能性もあります。
とはいえ現在の標準的な治療法は、現時点での最善の治療法なのです。