水ぼうそう


水ぼうそうは水痘・帯状疱疹ウイルスに感染して起こる感染症です。
水痘・帯状疱疹ウイルスはヘルペスの中でも非常に小さくしかも強いウィルスです。
気温が25度以上になると死んでしまうので流行季は冬から春になります。

1,2歳の患者が最も多く、ほとんどの人が10歳までに感染して発症します。
大人になって感染した場合には重症化することでも知られている病気です。
感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染なので感染力は非常に強いものです。

痒い水ぶくれが特徴

感染してから発症までの期間は10日から20日ぐらいです。
特徴的な症状は発熱後発疹、発疹が水ぶくれになって、やがてはかさぶたができて治るという経緯をたどります。

37度ぐらいの熱が出て、赤っぽいブツブツができます。
半日ぐらいたつと徐々に痒くなり水ぶくれになります。
水ぶくれができて初めて水ぼうそうと気づくのです。
顔やおなかから始まり、背中や手足まで広がって10日ぐらいで落着きます。

水ぶくれは3日ぐらいで、かさぶたになって治ります。
熱も3日ぐらいでおさまり体力的にも回復してきます。
すべてのかさぶたが落ちきるまでには20日ぐらいかかります。
ほとんどの場合は軽症ですみます。

水ぶくれは非常に痒いのが特徴で、子供はかきむしってつぶしてしまうことが少なくありません。
水ぶくれの中には、原因ウィルスがいるのでかきむしることで、ほかの人に感染させてしまいます。
また、傷口が化膿して跡が残ってしまうこともあります。
水ぶくれが完全に黒いかさぶたになるまで登校登園はできません。

まれに髄膜炎や脳炎を起こすことがあるので、熱が長引いたり、頭痛、嘔吐などがあれば医師の診断を仰ぎます。
水ぼうそうにかかると、生涯にわたって抗体ができます。

数十年後に再発?

子供の時に感染した水痘・帯状疱疹ウイルスは子供の時に水ぼうそうとなって発症し、水ぼうそうが治って、数十年後に帯状疱疹となって再発することがあります。
帯状疱疹は抗体ができていない人には水ぼうそうとして感染します。
抗体ができていない妊婦や乳児がいる家庭では注意が必要です。
妊娠初期に水ぼうそうに感染すると胎児に視覚障害などの影響が出る場合があります。

かかないよう注意

水ぼうそうの治療では水ぶくれをかきむしらないようにすることが大切です。
かゆみをとって乾燥させるために、石炭酸亜鉛華軟膏、抗ヒスタミン薬、鎮静薬などが処方されます。
水痘・帯状疱疹ウイルスに対してはアシクロビルかバラシクロビルが有効なので重症化した水ぼうそうに処方されます。

解熱剤としてアスピリンなどを飲むと非常にまれですがにライ症候群を起こし命にかかわることがあります。
小児の解熱にはアスピリンは使えません。

基本的には安静で自宅療養です。
水ぶくれが全部かさぶたになってから入浴します。

ワクチンで確実に抗体をつくる

水ぼうそうの予防に最も確実な方法はワクチンを接種することです。
水ぼうそうワクチンは一歳になれば受けられます。
最初に接種した日から3か月後に2回目を接種して抗体ができます。

もし、ワクチン接種の前に水ぼうそうの患者と接触したことがわかった場合、対処法として72時間以内にワクチンを接種すれば、発病が防止できたり症状を軽くしたりすることができると言われています。
水ぼうそうは子供の感染症の定番のように思われていますが、5万人に一人が死亡しています。
一歳になったら、水ぼうそうのワクチンを受けておきましょう。